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不知を知る

　「知っている」も「わかる」も、自分の経験、知識の範囲内でのことなのです。つまり自分が知らない世界と知っている世界とがあって、「知っている」、「わかる」は後者の範囲以内でのことだ、ということです。だから、こうした言葉を発するときは、前者の知らないことの世界がある、それも後者と比較にならないほど広いのだ、という謙虚さが必要なんです。

「俺は何でも知っている」、「俺は詳しい」、「俺はわかっている」といった言葉を多発する場合、ちょっとだけでもそのことを考える。こうしたことも脳力開発で言う両面思考なのです。知らない世界があってこその、知っている世界であること。それに自分の前にこうした未知の世界が広がっていることがわかっている人は、俗っぽい「教祖」気取りを、決してしませんよ。